「AIを使えば、頭を使わなくて済む」
「AIアートなんて、ボタンを押すだけでしょ?」
そんな言葉を聞くたび、私は、静かな、しかし、深い、違和感を覚えます。
なぜなら、私にとって、AIとの対話は、「思考の放棄」では、決してないからです。
むしろ、AIは私に、これまで以上に、深く「思考する」ことを、要求してきます。
この記事は、「AI=思考停止」という、大きな誤解を解き、新しい時代の「道具」との、本当の付き合い方を、考えるためのものです。
”思考停止”を招く、AIの「浅い」使い方
まず、なぜ「AIを使うと、頭を使わなくなる」という誤解が生まれるのか。
それは、AIを、浅く、表層的にしか、使っていないからです。
- パターン①:AIを「答えの自動販売機」だと思っている
宿題の答え、メールの文章、ブログのアイデア…。ただ、AIに「答え」だけを求め、出てきたものを、何も考えずに、コピペする。これでは、確かに、頭は使いません。 - パターン②:AIを「魔法の杖」だと思っている
画像生成AIに、簡単な単語を、一つ、二つ、投げ込んで、出てきた、最初の一枚で、満足する。これでは、ただの「ガチャ」です。
思考を”加速”させる、AIの「深い」使い方:3つの心構え
しかし、AIの本当の価値は、その、もっと、奥深くにあります。
私が、AIと「壁打ち」をする時に、常に、意識している、3つの心構えです。
- ① 執拗な「質問者」であれ
AIが、どんなに素晴らしい視点や、ヒントをくれたとしても、私は、決して、それを、鵜呑みにはしません。むしろ、そこからが、対話の始まりです。「もっと、こうは出来ないか?」「それって、つまり、どういうこと?」と、一つの答えに対して、さらに、次々と、疑問をぶつけていく。その、執拗な問いかけが、思考を、深く、深く、掘り下げてくれます。 - ② 健全な「懐疑主義者」であれ
私は、AIと対話する時、常に、心のどこかで、こう思っています。「こいつ、間違っているんじゃないか?」と。実際に、AIは、平気で、嘘をつきます(笑)。その、AIの言葉を、100%信じるのではなく、「本当か?」と、常に疑う気持ちを持つ。その「健全な疑い」こそが、私たちを、情報のコピペという、安易な思考停止から、守ってくれるのです。 - ③ その「不完全さ」を、楽しめ
そしてこれが、一番大切なことかもしれません。AIは、100%ではない。その完璧ではない、どこか、おっちょこちょいな部分も含めて、「楽しむ」という、ゲーム感覚。完璧な答えを求めるのではなく、不完全なパートナーとの対話を通して、一緒に、答えを「創り上げていく」。そのプロセスそのものを、楽しむこと。それこそが、AIとの、最も、創造的な付き合い方だと、私は思っています。
AIは、二人乗りの「深海探査艇」である
私が、AIアーティストとして、一枚の絵を創る時。
私はAIに「お任せ」には、決してしません。
私は、探査艇の「パイロット」。AIは、その、高性能な「機体」です。
「もっと右へ」「光を、あと少しだけ、絞って」と、具体的な指示を、何度も、何度も、出し続ける。
例えば、先日リリースした、16枚のLINEスタンプ。
あれを創るために、私が、AIに生成させた画像の数は、軽く、200枚を超えています。
その、膨大な数の「失敗作」や「惜しい作品」の中から、たった16枚の「これだ」という魂を、選び抜き、微調整を加えていく。
それは、宝探しにも似た、非常に、根気のいる作業なのです。




そして、HSP気質でもあるからか、この、膨大な情報の中から「正解」を探し出す作業は、私自身のHP(ヒットポイント)も、ごっそり持っていかれます。
だから、休みながら、ゆっくりと。
どうしても、時間が、かかってしまうのです(笑)。


その過程で、私は、自分自身の「世界観」や、「好き」という感情と、これでもかというほど、向き合うことになる。
それは、思考停止とは、真逆の、極めて、知的な格闘なのです。
結論:AIは、あなたの「思考」を、肩代わりしてはくれない
面白いことに、私自身、「AIを、どう、深く使えばいいか?」ということ自体を、AIに、相談したりします。
しかし、返ってくる答えは、いつだって、どこかピントがずれていて、「微妙」なものばかり。
結局、その、AIが出してきた、微妙な答えを元に、「いや、そうじゃない。私が、本当に言いたいのは、こういうことだ」と、さらに深く、考えさせられているのは、いつだって、私自身なのですから。
そして、もう一つ。
AIと向き合うようになってから、私の中には、新しい「思考」の領域が、確実に、増えています。
それは、「どうすれば、もっと、うまくAIを使えるだろうか?」という、思考そのものです。
AIという、あまりにもパワフルで、少しだけ気まぐれなパートナーの能力を、最大限に引き出すための「戦略」を、常に、考えるようになった。
AIは、私たちの「思考」を、決して、肩代わりはしてくれません。
むしろ、AIは、私たちに、新しい「思考のテーマ」を与え、その、知的なゲームへと、誘ってくるのです。
道具は、使い方次第で、毒にも、薬にもなる。
さあ、あなたは、この、史上最高の「道具」を、どう、使いこなしますか?







