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山内マリコ『あのこは貴族』を読んで感じた、「この世界がすべてじゃない」枠の外で生きる自由
静かな気づきの3行サマリ “選ばれた世界”の中にいる人ほど、不自由に見えた 誰かの「正解」に合わせて生きることの息苦しさ 今の自分の暮らしにある「一人であることの自由」への確信 本の概要紹介 著者:山内マリコ 出版年:2015年(集英社文庫) ジャン... -
乙一『夏と花火と私の死体』―“怖い”のに、なぜか美しい
📘 簡単なあらすじ(乙一『夏と花火と私の死体』) 9歳の夏、私は死んだ。でもこの物語は、そこで終わらない。 語り手は、すでに“死体”になった少女。彼女の視点から、ひと夏の出来事が淡々と語られていく――自分の死を引き起こした人たちの行動、そ... -
村上春樹『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』|言葉に酔うということ
1|はじめて読んだ村上春樹は、この旅エッセイだった 実を言うと、私はずっと村上春樹を読まずにいた。なんとなく、まわりに熱烈なファンが多くて、「信者」みたいな空気がちょっと苦手だった。本屋でもずっと平積みにされてるし、名作扱いされすぎてて、... -
『パリでメシを食う。』感想|“食べること=働くこと”を、静かに考えた一冊
はじめに|“メシを食う”って、こんなに心に響く言葉だったっけ タイトルを見たとき、グルメエッセイだと思っていた。おしゃれなパリの街で、こだわりの一皿を味わうような本かなと。 でもページをめくるたびに気づいた。この本に描かれていたのは、“食べる... -
『カフネ』感想と考察|喪失のあとに、“人とごはん”がくれたもの
静かに心を撫でる小説。愛する人を失ったふたりが、「食べること」で繋がっていく日々。 はじめに|なぜこの本が心に残ったのか この物語を読み終えたあと、しばらくのあいだページを閉じられなかった。誰かを失うということ、その痛みの中でなお、人と出...
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