「犬山さんて、細かいところに、こだわりがあるよね」
「そんなところまで考えないですよ」
友達や会社の同僚との、何気ない会話。
私は、これまで何度も、その言葉をかけられてきました。
言われるたびに、私は少し戸惑っていました。
だって、自分にとってはそれが“普通”のことだったから。
でも、同時にこうも感じていました。
「私って、ちょっと違うのかな」
「もしかしたら、この場所では少し浮いているのかもな」と。
もし、この”こだわり”が、私を周りから浮かせてしまうものなのだとしたら。
だったらもう、それを隠さずに「表現」してしまおう。
そう思って始めたのが、ブログであり、そして、最近ではAIを使った音楽づくりです。
この記事は、そんな私の「こだわり」と「表現」の物語。
そして、世界のどこかに必ずいるはずの、「同じ感性の誰か」に宛てた、手紙でもあります。
私が「音楽をつくる」なんて、想像もできなかった
昔の自分に「将来、音楽をつくるよ」と言っても、絶対に信じなかったでしょう。
もともと、自分の頭の中にある世界観を、アートのような形で表現したいという気持ちは、ずっとありました。
鉛筆画を練習した時期もあったけれど、どうにもしっくりこない。
「私には、無理そうだ」
そうやって、何度も諦めかけていた時、その扉をいとも簡単に開いてくれたのが、AIでした。
おそらく、本業がそちらに近いこともあり、私にはアナログな画材よりも、「デジタル」という道具の方が、ずっと手に馴染んだのです。
AIは「魔法の杖」ではなく、感性を映す「鏡」
「AIで創るなんて、簡単でしょ?」
時々、そんな風に言われることがあります。
でも、それは全くの誤解です。
AIは、あくまで道具。こちらの指示がなければ、何も生み出してはくれません。
自分の頭の中にある曖昧なイメージを、具体的な音やビジュアルに変換していく作業は、想像を絶するほど神経を使います。
何度も、何度も、やり直す。
その、コンマ数秒のズレ、ほんの僅かな色味の違いに、こだわり続ける。
おそらく、この調整作業を「面倒だ」と感じる人が、世の中の大多数なのだと感じます。
もちろん、私も「大変だな」とは思います。
でも、不思議と“面倒”だとは感じない。
なぜなら、その試行錯誤の中に、確かな「やりがい」と「楽しさ」を感じているからです。
「こだわり」が、最強の武器になった日
私がAIで音楽をつくり始めたのは、別に「ミュージシャンになりたかった」からではありません。
あくまで、“表現”の手段として、音楽という選択肢が加わった、という感覚です。
これまでブログやnoteで言葉にしてきたものが、
音になり、詩になり、ビジュアルになっていく。
自分の世界が、どんどん解像度を上げて、形になっていく。
その感覚が、今、たまらなく面白いのです。
そして、今ならはっきりと分かります。
「こだわりが強い」という私の性質は、AIという道具と、驚くほど相性が良かったのだ、と。
細かい調整を厭わない、むしろそこに喜びを見出せるこの性格こそが、私の表現を、他の誰でもない「私だけのもの」にしてくれる。
「細かいこだわりがあるね」
かつては、私を少しだけ孤独にさせた、その言葉。
それは、欠点なんかじゃなかった。
この世界で、私だけの表現をするための、最高の”才能”だったのです。
私は、自分のこだわりが活かせる場所を、ようやく見つけられた。
今、心からそう感じています。
このブログも、私が創る音楽も、すべては私にとって大事な“呼吸”のようなもの。
これからも、深く、静かに、息を吸って、吐くように、表現を続けていきたいと思います。
【処方箋】もし、あなたも「こだわり」に悩んでいるなら
あなたのその「こだわり」は、欠点ではありません。
それは、まだ最高の「道具」に出会えていないだけの、特別な才能です。
あなただけの表現が見つかる場所は、きっとどこかにあります。
この記事が、その場所を探す旅の、小さなきっかけになれたら嬉しいです。