【正直レビュー】映画『侍タイムスリッパー』を面白いと思えなかった、たった1つの理由 – HSS/HSPの視点 –

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「今年一番面白い邦画だよ」

映画好きの友人から、そう強く勧められた映画『侍タイムスリッパー』。
しかし、正直に告白すると、私は最後までこの映画に「ハマる」ことができませんでした

なぜだろう? 面白いと聞いていたのに、どうして私の心は動かなかったんだろう?

その理由を紐解く鍵は、私の生まれ持った気質「HSS型HSP」(=刺激を求めるのに、とても繊細な人)にありました。

この記事は、ただ「つまらなかった」と切り捨てるレビューではありません。
なぜ自分はこの映画を楽しめなかったのか、その理由をHSS/HSPという自分の特性と向き合いながら、正直に深掘りする、少し変わった映画レビューです。

目次

私が面白いと思えなかった「たった1つの理由」

結論から言うと、その理由は「期待という名の高いハードルを越えるほどの、心を揺さぶる刺激がなかった」からです。

面白いと聞かされていたからこそ、「どこで面白くなるんだろう?」と待ち構えてしまい、純粋に物語に没入することができませんでした。

長く感じた序盤と、一度止めた再生ボタン

物語は、現代にタイムスリップした侍たちが、現代文化に戸惑いながらも奮闘する、というもの。しかし、その序盤、なかなか物語のエンジンがかからず、気づけば私は一度、再生ボタンを止めていました。

作品の世界にぐいっと引きずり込むような、強烈な引力が、私には少し足りなく感じられたのかもしれません。

ラストシーンは良かった。でも、それだけでは足りなかった

もちろん、心に残ったシーンもあります。特にラストシーンの、侍としての誇りを取り戻す展開は、じんわりと心に沁みました。

しかし、映画全体を通して、私の心を鷲掴みにするような「何か」は、残念ながら最後まで見つけられませんでした。「最後のシーンは良かったな」という、部分的な感想だけが残ってしまったのです。

HSS/HSPの脳は、もっと強い「刺激」と「納得感」を求めている

では、なぜ私の心はこれほどまでに動かなかったのか。
それは、HSS型HSPの持つ「考察エンジン」が、物語の展開をあまりにも容易に「予想」できてしまったからです。

例えば、侍が現代のテレビを見て驚いたり、ケーキを「高級菓子だ!」と感動したりするシーン。これらはタイムスリッパー作品の「お約束」として、私の脳は「そうだよな」と平常心で処理してしまいました。 そこに、ハッとするような新しい視点や、予想外のリアクションがなかったのです。

また、侍の撮影所に迷い込み、そのまま役者として馴染んでいくという物語の核となる展開も、少し都合が良すぎると感じてしまい、「なるほどな」と頭では納得できても、心が躍るような「予想外の面白さ」には繋がりませんでした。

私の脳は常に、物語の「次」を求め、登場人物の行動に「なぜ?」と問いかけています。その問いに、納得できるだけの深い答えや、嬉しい裏切りが欲しかったのかもしれません。

もちろん、この映画にも「光る部分」はあった

ただ、誤解しないでほしいのは、この映画が駄作だと言いたいわけではない、ということです。

特に、クライマックスの殺陣のシーンは、本作で最も光る部分だったと感じています。それもそのはず、殺陣を担当したのは東映剣会の清家一斗さん。その迫力と様式美は、さすがの一言でした。

もちろん、主演の山口馬木也さんのコミカルな演技や、現代の風景に侍がいるという映像の面白さも、この映画の魅力です。だからこそ、物語の展開にもう一つ「意外性」があれば、と惜しく感じてしまうのかもしれません。

まとめ:「面白くない」には、ちゃんと理由がある

今回、自分が「面白い」と感じなかった気持ちと正直に向き合ったことで、一つの発見がありました。

それは、「面白くない」という感情は、決してネガティブなものではない、ということ。
その感情の奥には、「自分はこういう展開を予想していたんだな」「自分はもっとこういう刺激を求めていたんだな」という、自分自身の「好き」を知るための、大切なヒントが隠されていました。

もし、あなたが誰かにおすすめされた映画を観て、「面白いと思えなかった…」と罪悪感を抱いたことがあるなら。
大丈夫。その「面白くない」には、ちゃんと理由があります。

その理由を探る旅は、きっとあなた自身が本当に好きなものを、もっとクリアに照らし出してくれるはずです。


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