静かな気づきの3行サマリ
- あんなふうに淡々と暮らすおじさん、現実にはなかなかいないかもしれない
- でも、その“整った生活”の中にある小さなこだわりや人間らしさに憧れた
- 一人で淡々と生きながら、誰かと少しだけ交わる──それだけで十分だと思えた

はじめに|いろんな感想があっていいと思う
アマプラで『PERFECT DAYS』を観た。
世の中にはいろんな感想があって、「あんなミニマリストなおじさん現実にはいないよ」とか、 「地味すぎて何がいいのかわからなかった」とか。
でも私は、すごくよかった。
こだわりのカセットで音楽を聴いたり、 神社の御神木から分けてもらった小さな芽を大切に育てていたり、 そんなふうに、自分だけの小さな楽しさを日常に散りばめているのも素敵だった。
派手じゃないけれど、自分の“好き”がそこかしこにある暮らし。
そうやって、お気に入りの日を少しづつ重ねていくのだなと思った。
整えられた生活は、美しくて人間らしい
朝起きて、植木に水をやり、 缶コーヒーを飲んで、車で出勤、トイレを磨く。
同じような毎日なのに、なぜか目が離せなかった。
ひとつひとつの動作が、淡々としていて、でも丁寧で。 その何気ない繰り返しが、生活であり人生の中の一日なんだ。
あの部屋の壁の色、光の入り方、棚の本、 何気なく置かれたラジカセや照明。
すべてが“整ってるけどらしさのある完璧じゃない”感じで、 そのバランスがとても心地よかった。
ひとりの時間と、誰かと交わる時間
ひとりの時間を楽しんでいる。 でも、たまに行きつけの居酒屋さんやスナックで、 人とぽつりぽつりと交流することもある。 そのちょっとした交流によって、一人の時間も一人ではない時間も満たされていくように感じた。
この映画の中には、たぶん「孤独」も「つながり」も、 無理なく同居していた。
誰かとたくさん話さなくても、 一人きりでも満ちていられるというのは、 すごく強くて、やさしい生き方だと思った。
これからも、定期的に観たくなる映画
この映画、劇的なことは何も起きない。 でも、だからこそ心に残る。
生活の中のちょっとしたこだわりとか、 何も言わずに続けている習慣とか、 そういうものが「その人らしさ」なんだと思わせてくれる。
定期的に観たくなる。
生活のリズムが乱れた時、部屋が散らかった時、 焦りすぎている時── ふとこの映画を再生して、呼吸を整えよう。