はじめに|「こんなに派手なのに、どうしてこんなに泣けるんだろう」
3時間。
映像も音楽も感情も、終始“全力”。
でも不思議と疲れなくて、むしろ終わったあと心がじんわり整っていた。
映画『RRR』は、私にとってまさに感情の筋トレだった。
たくさん笑って、驚いて、泣いて、
「こんな感情も自分の中にあったんだ」って、知らなかった場所が刺激されるような感覚。
あらすじ(ざっくり)
舞台は1920年代のイギリス植民地下インド。
奪われた少女を救うために戦う男・ビームと、
“敵”でありながらも信念を貫く男・ラーマ。
立場を超えて惹かれ合い、やがて友情を築くふたりの物語は、
やがて国家を揺るがすほどの“魂の戦い”へと変わっていく。
見どころ①|戦いが独創的すぎて、最高に気持ちいい
この映画、とにかく戦い方が独特。
虎を味方にしたり、爆発とともにバイクを投げたり、
「え!?そうくる!?」の連続。
しかもすべてが無駄に派手じゃなくて、“熱くて誠実”なのが最高。
アクションって、本来こういう“心が動くための手段”だったんだと思い出させてくれた。
見どころ②|“インド映画”なのに、どこかワールドワイドだった
確かにインド映画っぽさはある。
でもどこか“インドすぎない”と感じた。
世界中どこでも通じる、普遍的な“信念”や“解放”が描かれていたからかもしれない。
インドなんだけど、“インドの枠”を飛び越えてくる感じ。
わたしはその“越境感”がすごく心地よかった。
見どころ③|歌とダンス。笑えるけど、心がついてくる
もちろん、インド映画らしい歌とダンスの時間もある。
でもそれが“浮いてる”感じはまったくなくて、むしろ物語の感情にぴたりと寄り添っている。
真似したくなるほどノリが良くて、
でも踊り終えたあと、なぜか胸がじんとする。
笑って、熱くなって、心がスッと静まる。
感情の波がとにかく楽しい。
感想と考察|この映画、概念を良い意味でぶっ壊してくれる
わたしがこの映画を好きなのは、
“すべてが型破りなのに、全部が本気”だから。
- 泣かせようとせずに、泣ける
- 笑わせようとせずに、笑ってしまう
- 感動させようとせずに、気づいたら目が潤んでる
概念とか常識とか、“こうあるべき”っていう鎧を、感情で破ってくる。
そういうところが、RRRのいちばんすごいところだったと思う。
おわりに|「静か」じゃないのに、感性が整った3時間
RRRは、静かな映画じゃない。
むしろ音も映像もすべてがフルパワー。
だけど観終わったとき、心がすごく静かだった。
それはたぶん、
「こう感じていいんだ」と、全力で肯定されたからかもしれない。
感情って、鍛えるんじゃなくて“解放する”ものだったんだなと思った。
🎬 こんな人におすすめ
- 静かな作品ばかり観ていて、たまには“ぶっ壊されたい”人
- 映画で泣くことにちょっと飽きてきた人
- 「何を観ても響かない…」と感じている感性疲れ中の人

RRR