こんばんは、犬山です。
家が大好きな、究極のインドア派(究極とは!?)な私ですが、 1年に1回くらい(主に誕生日付近)旅行しようかな、なんてふと思い立つことがあります。
そして今回予約したのが、長野県・蓼科にある「親湯温泉」さん。
実は去年から、“本にまつわる旅”をテーマに行き先を決めていて、 前回は箱根の「箱根本箱」さんへ(ここもすごくよかった!)
この旅を思いついたのは、去年から始めた誕生日一人旅を恒例化しようと思ったことと、 これまた去年と続く形で“本に纏わる旅”を毎年しようと思い立ったからです。
そして検索して、自力で見つけたのがこの親湯温泉でした。
https://www.tateshina-shinyu.com
今回の旅先は、蓼科・親湯温泉
まずは、今回訪れた場所「蓼科親湯温泉」について少しだけ紹介させてください。
「親湯温泉」は大正十五年創業、蓼科の自然の中に佇む歴史ある温泉宿です。
印象的だったのは、約3万冊もの蔵書が並ぶLibrary Lounge。 穏やかな時間を本とともに過ごせるこの空間は、読書好きにとって本当に特別でした。
また、宿の客室「蓼科倶楽部」には、実際にこの地を訪れた文人や芸術家たちにちなんだ部屋がいくつもあります。
- 太宰治:新婚旅行で訪れたとされ、彼をイメージした客室。
- 伊藤左千夫:この湯を楽しんだ文人の一人。
- 斎藤茂吉:同じく、蓼科の湯と自然を愛した歌人。
そして、小津安二郎監督も晩年にこの地を訪れ、茅葺の山荘「無藝荘」で名作の構想を練ったとされます。 ホテルではその「無藝荘」を訪れる特別ディナープランも用意されていました。
そのほかにも、柳原白蓮、幸田文、アララギ派、小堀杏奴、高浜虚子、島木赤彦、土屋文明など、 文学とゆかりの深い名前が並んでいて、まるで「穏やかさと文学」が寄り添うような空間でした。
また、館内には岩波新書が壁一面に並ぶ「岩波回廊」という特別なエリアも。 これは岩波書店やみすず書房の創業者がこの地域出身であることにちなんで造られた空間で、 知への敬意と文化的背景を感じられる場所でもあります。
泊まるだけじゃない、“物語の中に浸る”ような時間が味わえる宿。 そんなふうに、私は感じました。
どうしてここに来たのか、という話
実は私は、環境に対するこだわりがけっこうあって、 ゆっくり過ごすには“宿の空間そのもの”が大切だなと思ってます。
部屋が広めで、人と人との距離感がちゃんと保たれていること。 周りがざわついていないこと。
そういう条件がそろうと、心がふっとゆるんで、自分のペースで時間を使える。 今回の蓼科親湯温泉も、そんな条件にしっくりくる場所でした。
家が大好きで、どこにも行かずに過ごす時間も大切にしてるけれど、 一年に一度くらい、少しだけ場所を変えて、景色を変えて、心もリフレッシュさせたくなる。
そんな気分にぴったりだったのが、長野県・蓼科の山あいにある「親湯温泉」。
✔ 穏やかで落ち着いた佇まい
✔ 本がたくさん置いてあるラウンジ
✔ 古さとモダンさがほどよく混ざった和の空気
この3つのポイントだけで、私の“行ってみたい欲”はじゅうぶんくすぐられました。
場所を決めたら、もう行く理由は後からついてくる。そんな感じです。
旅の道のりも、わたしの一部
今回は新宿から中央特急あずさで茅野まで。 そこからは宿の無料送迎バスに乗って、山道を登っていきます。
移動中はというと、お弁当を食べて、すぐぐーぐー寝て、 まさに“食っちゃ寝”しながら進む感じ(笑)
ちなみに私はおっちょこちょいなので、基本“30分前行動”が習慣です。 そのくらいの余裕があると、気持ちもゆるやかでいられます。
待ち合わせも、30分前がベスト。 5分前集合とか、私には無理。焦って気持ちがザワザワしちゃうので(笑)
ほんとうは2泊したかったけど、 仕事がもうめちゃくちゃ忙しくて……(あまり“忙しい”って言葉は使いたくないけど、これは仕方ない)。
そんな中、無理やりねじ込んだ今回の旅。 だからこそ余計に、ありがたく、しみじみ感じる時間になったのかもしれません。
森の中の宿で、ぼーっとするだけの時間
今回の旅では、ちょうど滞在中に雨が降っていて、 でもそれがむしろよくて、天然のホワイトノイズのように感じられました。
部屋の窓から森を眺めながら、ただぼーっとする。
女性の波と重なって、今回はいつも以上に“寝まくり旅”に(笑)
でもそのぶん、いろんなことを考える時間が持てた気がします。
昔の自分、今の自分。 仕事のこと、これからの人生のこと。
宿の部屋から見える森の景色が、そんな内省の時間をそっと支えてくれているようでした。
「こういう時間を定期的に持ちたいな」と思った瞬間、 あ、ここに住んでみたいかも……とふと思ったんです。
でもすぐに「いやいや、私のことだから住んだら飽きちゃうんだろうな〜」なんて考えて、 結局またひとりで脳内会議を始めてしまいました(笑)
それでも、こうして一度立ち止まって、風景も気持ちもゆるめる時間を持てたこと。 それが、今回の旅でいちばんよかったことだった気がします。
次回は、親湯温泉のお部屋・ごはん・ラウンジのことなどをゆるゆる綴ります。