【告白】します。
私はずっと、自分の人生が「ハードモード」に設定されているのだと思っていました。
好奇心に引かれてアクセルを踏み込んだ瞬間、不安がブレーキをかける。
人と会いたいと願うのに、会ったあとはひどく疲弊している。
周りの人の感情や、言葉の裏側にある本音に気づきすぎて、勝手に傷つく。
なぜ、私だけがこんなに生きづらいんだろう。
そうやって、自分の中の矛盾に溺れそうになっていた私が、今、心からこう思っています。
「生きてるって、最高に楽だ」と。
特別なカウンセリングを受けたわけでも、何かを成し遂げたわけでもありません。
私がやったこと。それは、信じられないほどシンプルでした。
ただ、身の回りのモノを、一つずつ手放していっただけ。
この記事では、なぜHSS型HSPの私が「モノを減らす」ことで救われたのか、その理由と具体的な道のりを、すべてお話しします。
もしあなたが、かつての私のように理由のわからない「生きづらさ」を感じているなら、この記事がその正体を解き明かし、あなたの心を軽くする、最初のきっかけになるかもしれません。
私の頭の中にある、3つの「矛盾したエンジン」
私は自分の中に、常に3つのエンジンが同時に動いているような感覚があります。
① 好奇心という、止まらないエンジン
私にとっては普通のことだけれど、人は「知りたい」「謎が解きたい」という気持ちだけでは、それほど動かないらしい。私の足は、いつだって「やってみたい」という気持ちのままに動いてしまう。それは時に、楽しいけれど、ひどく疲れる。
② こだわりと、見えすぎる本音のエンジン
美しいものやことに、どうしようもなく惹かれる。ただ見るだけじゃない。作者の意図は?なぜこの表現を?と考え、思考を巡らせるのが好き。この「こだわり」は、人にも向かいます。なぜなら、私は昔から、言葉の背景を常に考えてしまうから。
そのせいで、前の職場では「探偵」なんてニックネームで呼ばれていたことがあります。
同僚の何気ない発言の意図を説明したり、会話の裏側を解説したりしていたら、いつの間にかそう呼ばれるように。
例えば、上司から何か質問された時。「なぜ今、私にこれを聞くんだろう?」と一瞬で思考を巡らせます。そして「ああ、これはさらにその上の上司が知りたがっている情報で、私の上司は報告のために聞いているんだな」とピンとくる。だから、上司がそのまま報告しやすいように、要点をまとめた答えを返す。
これは便利なスキルに見えるかもしれませんが、脳は常にフル回転。気まずいし、ひどく消耗するのです。
③ 孤独という、必須の充電エンジン
社交的に振る舞ったあと、一人の時間が絶対に必要になる。なぜなら、人といると、その人の言葉、表情、声のトーン、その場の空気、その全てが情報になってしまうから。
周りからは「あなたの視点は少し違うから面白い」と、意見を求められることがよくありました。でも、その「普通じゃない視点」こそが、大量の情報処理の結果。褒められれば褒められるほど、私の頭の中は処理すべき情報でパンク寸前になっていく。
だから、一人で物理的に情報を遮断し、脳を休ませる時間が必要不可欠でした。
私がミニマリストになるまでの「4年間の道のり」
ミニマリストになるのに、映画のような劇的なきっかけがあったわけではありません。
気がついたら、そうなっていた。それが正直なところです。
ただ、今思えば、一つの大きな転機がありました。
それは、長年勤めたアパレル業界を離れたことです。
アパレル店員だった頃の私は、毎月のように服や靴が増えていくのが当たり前でした。クローゼットは常にパンパン。でも、そのうちの8割は、ほとんど着ていない服だったと思います。それは、好きで買ったはずなのに、いつしか管理すべき「モノ」でしかありませんでした。
業界を離れて、冷静にクローゼットと向き合った時、ふと思ったんです。
「私、こんなに服、要らないな」と。
そこから、私の長い、でも確実な変化が始まりました。
毎月何かを買うのが当たり前だった癖を手放し、本当に心から着たいと思う服だけを残していく。その作業には、実に4年もの時間がかかっています。
そして、4年かけて少しずつモノが減っていく中で、私は気がついたんです。
部屋がスッキリする以上に、常に情報過多だった私の脳が、驚くほど楽になっていることに。
「今日の服、どうしよう」と考える時間が減った。
無数にあった服から選択するストレスが減った。
大量の服を管理する手間が減った。
この感覚は、HSS型HSPである私の性格に、驚くほどフィットしていました。
HSS型HSPさんのための「ゆるミニマリズム」のはじめ方
「いきなり全部を捨てるなんて無理…」そう思うかもしれません。大丈夫。4年かかった私が、誰でも真似できる最初の一歩と、少し変わったコツをお伝えします。
Step 1:まずは「靴下」の引き出しから、成功体験を積む
いきなりクローゼットや部屋全体に手をつけるのは、情報処理が苦手な私たちにはハードルが高すぎます。
まずは、靴下やインナーが入った、小さな引き出し一つから始めてみませんか?
「管理できる数だけ残す」と決めて、それ以外は手放してみる。たったそれだけで「私にもできた!」という快感と成功体験が得られます。この小さな快感が、次への大きな一歩になるんです。
Step 2:「モノ」ではなく「空間」を主役にする
少し勇気が出てきたら、私がやった少し変わった方法も試してみてください。
それは、先に「物理的に収納ボックスを捨てる」こと。
そして、何もない空間を眺めて、「このくらいのスペースがあると、美しいな」と感じる、理想の状態を先にイメージするんです。
そこから初めて、残したいモノを選別していく。
基準は「必要かどうか」ではありません。「この美しい空間に、置く価値があるか?」です。主役をモノから空間へと変えるだけで、驚くほど、執着を手放せるようになります。
まとめ – 生きづらかった私が、本当に伝えたかったこと
【告白】から始まったこの記事も、そろそろ終わりです。
かつての私のように、自分の中の矛盾に悩み、「生きづらい」と感じているあなたに、最後に伝えたいことがあります。
物が減って楽になる。捨てる快感を知る。
その先には、「心地よい刺激だけを選んで生きていける」という、驚くほど快適な世界が待っていました。
HSS型HSPの私たちは、欠陥品なんかじゃありません。
人の本音が見えすぎたり、情報過多で疲れてしまうのは、それだけ繊細で、高性能なアンテナを持っている証拠です。
大丈夫。あなたのその繊細すぎるアンテナは、欠点ではなく、才能です。
そしてミニマリズムは、その才能をノイズから守り、本当に輝かせるための、最高の舞台装置になってくれます。
この記事が、あなたの「生きづらさ」を「あなただけの才能」へと変える、小さなきっかけになることを、心から願っています。