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映画『夜明けのすべて』|「わかろうとする」ことで近づける関係

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1|はじめに|少しだけ知っておきたいこと

この映画には、ふたりの登場人物が出てくる。
ひとりはPMS(月経前症候群)に悩む女性で、
もうひとりはパニック障害を抱える男性。

どちらも「病気」と言われることもあるけれど、
もっと身近で、もっと人の中にあるものだと思う。

PMSってなんだろう?

PMS(月経前症候群)は、月経が始まる前の数日から1週間くらいの間に、
気分の浮き沈みやイライラ、落ち込み、不安感、体のだるさや眠気など――
心と体にさまざまな変化が起こる状態のこと。

誰にでも起こるわけではなく、
症状の重さも人によってまったく違う。
「理由もなく感情が荒れる自分」を責めてしまうこともあるけど、
ホルモンの影響で、自分の意志とはまったく関係なく起きてしまうもの。

パニック障害って?

一方でパニック障害は、ある日突然、
動悸や息苦しさ、めまい、強い不安感が襲ってくる状態。
身体にはっきりと症状が出るから、外見ではわからないことも多いけれど、
本人にとっては“このまま死んでしまうかもしれない”と感じるほどつらいこともある。

またいつ起こるかわからない、という不安が日常に影を落としてしまうこともあって、
「何が怖いのか分からないけど怖い」――そういう状態が続くこともある。

このふたつに共通しているのは、
“自分でコントロールできないのに、まわりからは理解されづらい”ということ。

映画『夜明けのすべて』は、そういうふたりの人物が出会い、
「わかろうとする」ことで少しずつ日常をやわらかくしていく話だった。

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