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『ウィリーズ・ワンダーランド』感想|無言の男と狂気の遊園地
はじめに|暴力なのに、なぜか整う。不思議な爽快感 “カオス”と“静けさ”って、共存できるんだ。そう思ったのは、まさかのホラー映画『ウィリーズ・ワンダーランド』だった。 血まみれのテーマパークで、殺人ロボットと闘う男。にもかかわらず、どこか「日... -
言葉にできない気持ちを、映画『めがね』がそっと代弁してくれた
はじめに|説明できないけど、ちゃんと在るもの ときどき、気持ちに名前がつかないまま日々を過ごしていることがある。「疲れている」でも「悩んでいる」でもないけど、何かがずっと胸の奥で、静かに揺れているような感じ。 そんなときに観た『めがね』は... -
『カフネ』感想と考察|喪失のあとに、“人とごはん”がくれたもの
静かに心を撫でる小説。愛する人を失ったふたりが、「食べること」で繋がっていく日々。 はじめに|なぜこの本が心に残ったのか この物語を読み終えたあと、しばらくのあいだページを閉じられなかった。誰かを失うということ、その痛みの中でなお、人と出... -
『アビゲイル』感想&考察【ネタバレあり】|怪物は血ではなく「最高の刺激」に飢えていた
「誘拐した少女は、ヴァンパイアだった」 この映画のあらすじは、とてもシンプルです。しかし、物語が進むにつれて、私はある奇妙な感覚に囚われました。それは、少女の姿をした怪物アビゲイルへの「恐怖」ではなく、むしろ彼女の心の奥底にある、計り知れ... -
『ドライブ・イン・マンハッタン』感想|誰でもない人に、本当のことを話してしまう夜
静かな気づきの3行サマリ ふと心を許してしまうのは、誰でもない人だったりする 本音は、きれいな言葉ではなく、しょうもない会話の中にこぼれる 限られた空間で生まれる一夜の会話が、思いがけず心に残る 作品情報 監督・脚本:クリスティ・ホール 主演... -
【正直レビュー】映画『侍タイムスリッパー』を面白いと思えなかった、たった1つの理由 – HSS/HSPの視点 –
「今年一番面白い邦画だよ」 映画好きの友人から、そう強く勧められた映画『侍タイムスリッパー』。しかし、正直に告白すると、私は最後までこの映画に「ハマる」ことができませんでした。 なぜだろう? 面白いと聞いていたのに、どうして私の心は動かなか...