お風呂で腕を洗っていて、思わず手を止めた。
いつもと同じように、いつもと同じ場所を洗っていただけなのに、指先に触れる感触が、少し違う気がした。「あれ、こんな感じだったっけ」と、その場で二度見ならぬ二度触りをしてしまった。鏡を見ても、正直そこまで劇的な変化はわからない。毎日見ている顔と身体は、少しずつの変化には気づきにくいようにできている。それでも、自分の手で触れたときだけ、何かが違う。
うまく言葉にできなかったこの感覚を、一度ほどいてみたくてこの記事を書いている。
そういえば、エアロバイクを始めてから1か月くらい経っていた。
ちなみに、体重はまだ測っていない。1か月レポートを書こうとしているのに、肝心の数字を一つも持っていない。
その理由は、もう少し先で触れることにする。
ステッパーが続かなかった理由
もともと運動習慣がまったく定まらないタイプで、それでいて外に出るのは気が重い。だから選択肢は最初から「家でできるもの」に絞られていた。以前はステッパーを使っていた時期もあったけれど、身体が上下に揺れるのがどうにも「ながら」に向かなくて、PC作業をしながら漕ごうとすると足がすぐ止まってしまう。結局続かないまま、部屋の隅で存在感だけを放つオブジェになっていた。
それで思い切って、エアロバイクを買うことにした。
気づけば1時間漕げるようになっていた
最初のうちは5分、10分漕げれば上出来だった。とにかく続けることだけを目標にしていた。今は動画を見ながら漕ぐのが定番になっていて、気づけば1時間漕げている日もある。画面に気を取られているうちに、いつの間にか汗だくになっている。以前より筋肉痛になりにくくなった気がして、負荷を1段階上げてみた。それでも以前ほどきつく感じない。
――と、ここまで書くと「頑張って続けた」という話に見えるかもしれないけれど、本人の感覚としては「頑張った」というより「気づいたらこの運動に身体が慣れていた」という方が近い。
変化に気づいたのは、運動している最中よりも、むしろ日常のふとした瞬間だった。
駅の階段で、ふと感じたこと
駅の階段は、いつも必ず使うようにしている。その階段を上っていたとき、ふと「今日、身体がしっかりしてるな」と思った日があった。特別調子がいいわけでも、意気込んでいたわけでもない。ただ、いつもより足取りが軽かった。それだけのことなのに、妙に印象に残っている。
お風呂で気づいた、もうひとつの変化
お風呂で腕に触れたときの感覚もそうだ。「なんとなく柔らかくなった」というのが一番近い表現で、細くなったとか引き締まったとかいう確信はない。ただ、以前とは違う手触りになっている気がする。笑ってしまうけれど、自分では「よいお肉になってきた」くらいの温度感で捉えている。
体重は、まだ何となく測りたくない
正直なところ、立派な理由があるわけではない。何となく、今はまだ測りたくない。
測るのが怖いわけでも、体重という数字を否定したいわけでもない。ただ、今は階段が少し楽になったことや、腕に触れたときの「あれ?」を面白がれている。だから、もう少し数字を知らないままでもいい気がしている。
続けられている理由
続けられている理由を挙げるとしたら、たぶん大げさなことではない。自分の場合はきっと、家でできること、夜でもできること、5分だけでも漕げる日があることが合っていたんだと思う。
今使っているのは、STEADYのフィットネスバイク。組み立てが簡単で、動作音が思ったより静かなので、夜遅い時間に動画を見ながら漕いでも気を遣わずに済んでいる。

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3行サマリ
・エアロバイクを始めて1か月、体重はまだ測っていない
・それでも、漕げる時間や駅の階段の軽さ、お風呂で腕に触れたときの感覚に、小さな変化が出てきた
・数字より先に、日常の中で「身体が変わり始めたかも」と気づくことがある
ある夜のこと
その夜も、いつも通りお風呂で腕を洗っていた。
指先が同じ場所を通り過ぎて、また少し手が止まる。「やっぱり、前とは違う気がする」。確信はない。証拠もない。ただ、その手触りだけがある。
体重計は、まだ洗面所の隅で静かに待っている。
今はまだ、そこに乗る気分ではない。もう少し、この曖昧な手触りのままでいたい気がしている。

